陸前高田プロジェクト2020年度(オンライン実施)参加体験談
上條 茜里さん(社会学部 現代文化学科 4年次)
2021/04/19
RIKKYO GLOBAL
OVERVIEW
2020年度はオンラインで実施した、陸前高田市の方々と立教生?海外大学生(スタンフォード大等?香港大?シンガポール国立大)が共に考えるプログラム「陸前高田プロジェクト」。
参加者のひとり、1年次に同プロジェクト参加者として陸前高田市を訪問し、この度二度目の参加となった上條茜里さん(参加当時 社会学部現代文化学科4年)に話をうかがいました。
「陸前高田プロジェクト」は、東日本大震災の被災地である岩手県陸前高田市でフィールドワーク(4泊5日)を行い、同市の現状を共有した上で課題に取り組み、陸前高田市の復興支援に寄与していくことを目的とする課題基盤型学習(PBL:Project-based Learning)プログラムです。2013年度からパイロットとしてスタートし、正課科目として毎年実施しています。2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し現地でのフィールドワークを行うことができず休講となりましたが、正課外プログラムとして2021年2月20日と2月27日の2日間で海外の大学生も交えたオンライン形式のプログラムを実施しました。
グループ発表の様子
参加大学は米国よりスタンフォード大学をはじめ、コーネル大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校、NY州立大学コートランド校、サンフランシスコ州立大学、そしてアジアより香港大学、シンガポール国立大学、立教大学の計28名がオンラインで共に課題に取り組みました。
今回取り組んだテーマは、「陸前高田市の歩みから持続可能な都市について学び、地方都市が持続可能な都市となるために自分たちにできることを考えよう—SDGs Goal 11「住み続けられるまちづくりを」の視点から—」でした。
1日目は、参加者同士の自己紹介の後、陸前高田市のNGO「マルゴト陸前高田」の方から同市の東日本大震災の被害と復興についてのお話をうかがいました。
今回取り組んだテーマは、「陸前高田市の歩みから持続可能な都市について学び、地方都市が持続可能な都市となるために自分たちにできることを考えよう—SDGs Goal 11「住み続けられるまちづくりを」の視点から—」でした。
1日目は、参加者同士の自己紹介の後、陸前高田市のNGO「マルゴト陸前高田」の方から同市の東日本大震災の被害と復興についてのお話をうかがいました。
長洞元気村の村上さんによるご説明
続いて、同市広田町で地域交流の拠点「長洞元気村」を運営されている村上誠二さんより、自らも被災された震災時のお話をうかがい、実際に被災した際に直面する問題をバーチャルに学べるクロスロードゲームをライブ中継で行って頂きました
2日目は初日にうかがった陸前高田市の話を踏まえ、自分たちが暮らすコミュニティについてSDGs Goal 11「住み続けられるまちづくりを」の観点から考え、ディスカッションを経てグループごとに発表を行いました。
2日目は初日にうかがった陸前高田市の話を踏まえ、自分たちが暮らすコミュニティについてSDGs Goal 11「住み続けられるまちづくりを」の観点から考え、ディスカッションを経てグループごとに発表を行いました。
参加体験談(上條茜里さん)
今回のプログラム参加のきっかけを教えてください。
まず、私は1年次に初めて陸前高田プログラムに参加をして、学んだ事、そして感じた事が本当に沢山あり、卒業する前にも是非もう一度本プロジェクトに参加したいと思い、参加を決めました。また前回、プログラムに参加して陸前高田に足を運んだ際には、コミュニティや人々のつながり、そして人々が持つ優しさ、強さ、そして温かさに触れる事が出来ました。最初の陸前高田プログラム参加から4年が経過しましたが、私は今、持続可能な社会についてもより強い関心を抱くようになり、どうしたらその様な社会が構築出来るかを学びたいと思ったのも参加をした理由です。
テーマに即して、感じたことを教えてください
上條さん(グループ発表)
私が今回参加をして感じた事は、持続可能な社会の構築を可能にするためには市民の様々な意見を聞き、調整して政策を決定していくのが非常に大切なのではないかという事です。私達はプログラムを通じてSDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」について考えました。政策を作る時に、様々な住民の意見が聞かれ、考慮し反映される機会はあまり多くないのかもしれません。しかし、その地の人々だからこそ、それまでの経験から生まれる意見があると思います。沢山の人々から意見を聞くという作業はとても時間と手間がかかる作業であると思いますが、地元の人々から意見を聞き知見を活かし続けることが、住み続けるまちを作るヒントになるのかもしれないと感じました。
オンラインでの国際交流×地域交流のプログラムに参加して、感じたことを教えてください。
オンラインでは、参加者同士が互いにスムーズにコミュニケーションを取る事や、短い時間でチームのプレゼンテーションを完成させる事の難しさを感じました。チームが協力をして意見を出し合うまでにはどの形態でも時間がかかりますが、オンラインでの学びは、時差があり、かつ画面上でのコミュニケーションのため、なかなかスムーズにいかない事が難しくもありました。しかし、スムーズに行かない時でも、皆で協力をしてコミュニケーションを取り、それを楽しめた面もあります。これからオンラインでコミュニケーションを取らなくてはいけない機会も増えていく可能性がありますが、オンラインで作業をする際には皆がより積極的にコミュニケーションを取り、協力をしている姿勢が大切であると学びました。
二度のプログラム参加経験を通し、陸前高田プロジェクトでの学びを今後どのように活かしていきたいと思いますか
上條さん(グループ発表)
私は、二度、本プログラムに参加をする事が出来ましたが、まずは、陸前高田の事を忘れない様に自分で学び続けたり、他者に伝えたりしていきたいと思っています。陸前高田のコミュニティのつながりや住民の皆さんの優しさを忘れない様にしたいです。そしてこれからも、様々なコミュニティに足を踏み入れてみて、多様な価値観を持つ人々と交流して、コミュニケーションを取る事を忘れないで生きていきたいと思っています。本プログラムの参加者も多様な国籍とバックグラウンドがあり、考え方も異なります。そして、私が1回目に参加した時に様々な陸前高田の人々にインタビューをする機会がありましたが、皆さん異なる思いがあります。この様に、色々な意見や価値観を聞いて、他者やコミュニティを理解するという努力をこれからも続けようと思っています。
今後、陸前高田プロジェクトへの参加を考えている学生に向けて、メッセージがあればお願いします。
もし陸前高田プロジェクトの参加を考えていてこれを見て下さっている方がいれば、是非参加してみてください。大学とは異なるコミュニティに足を踏み入れるのは勇気が要りますが、とても学びが大きいです。I hope you join the program and have a valuable experience.
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
2020年度は各種海外交流や地域交流プログラムの実施が難しい状況となりましたが、本プログラムではオンラインではありながらも日本の陸前高田市の方と様々な国の大学生とがつながり、共に考え、思いを共有することができました。わずか2日間でしたが、参加者ひとりひとりが今後より一層、震災被災地と自分たちの生活について考え続けるきっかけとなったことを願っています。
震災から10年。陸前高田市の方から学ばせていただき、共に考える貴重な機会であるこのプログラムをこれからも実施し続けていきたいとグローバル教育センターでは考えています。
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